令和元年度 後援会会長 三上 泰良
平素は筑波大学附属小学校後援会の活動にご理解ご協力ならびにご支援を賜り、誠にありがとうございます。この場をお借りしまして、保護者会員の皆様に厚く御礼申し上げます。
さて、当会は後援会規約第3条にあるように、「筑波大学附属小学校の教育及び教育研究や児童の教育振興を後援することを目的」として平成12年に設立されました。文部科学省のPTA会費の適正使用に関する通知によりPTA組織である若桐会の予算からの支出が見込めない対象について財政支援を行うため非PTA組織として保護者と当会の趣旨に賛同する者が会員となって設立されています。具体的には、筑波大学附属小学校(以下、「当校」)の運営資金面(教育活動に関する委託費や給食関連経費等)ならびに設備・備品などのハード面の充実と維持・修理を、個別の案件毎に皆様にご拠出いただいた後援会資金を筑波大学へ寄附する形で資金支援をしており、毎年度の後援対象は、当校の先生方、当会のクラス委員の皆様との協議によって決めています。また、全国国立大学附属学校教育後援会連絡協議会(以下、「全附後協」)に設立当初より加入、他の附属学校とも積極的に意見交換を行う等連携をとりながら運営を行っています。
全附後協の設立以降、PTA連合組織である全国国立大学附属学校PTA連合会(以下、「全附P連」)ならびに教員組織である全国国立大学附属学校連盟が共同して、コンプライアンス意識の高まる社会状況の中、教育後援会の組織としての在り方、寄附活動の公正化の議論を進めております。その議論の中で、全国の教育後援会の大宗が設立された平成12年に全附P連が出状した「学校経理問題についての連合会としての見解」に関する公式文書で、教育後援会がPTA等の保護者会と明確な区別をもつ必要があり、後援会の役員構成は現役保護者及び教員以外が望ましいとの記載があったことが再び注目されております。現在進められている議論では、教育後援会の理想形は、附属学校の後援をするという趣旨に賛同する保護者以外の方々(例えば地域の方々、保護者OB、教職員OB、成人した卒業生等)が多く教育後援会に参画していただき、組織構成の過半数が保護者以外によって構成され、第三者的に見てもPTA等の保護者会とは異なる実態が担保されることが望ましいという方向となっています。かかる全国的な議論の潮流が変わらない限り、最終的には当会もその方向へと進化していく必要がありますが、現在の当会の運営体制から一足飛びの変革を目指すことは現実的には困難であり、時間をかけて新しい教育後援会を取り巻く社会状況に沿った当会としての望ましいあり方を議論し作り上げていくことが望ましいと考えております。
つきましては今般、新しい当会を目指す一歩として現役保護者以外の保護者OBが当会の会長に就任し、現役保護者の役員と共同で会務を行うことを可能とする当会規約変更を今総会の議案として提出したいと思います。詳細な変更点は、後記の「後援会規約 新旧比較表」を見ていただきたいと思いますが、主たる変更点は(1)「専務理事」を新設し、保護者OBが当会の会長に就任した際に現役保護者が副会長、専務理事としてサポートを行える体制を可能とすること(2)これまで後援会クラス委員会が会長のみを選出し、役員については会長が委嘱していましたが、保護者OBが当会の会長に就任した際に、受益者たる保護者の意見反映を担保するためにクラス委員会が会長、副会長、専務理事の3名を選出すること、の2点となります。
続きまして、今年度の運営方針についてご説明したいと思います。昨年度は、第一運動場の改修工事や総合遊具新設、高学年教室における32人学級対応ロッカーへの入替、家庭科教室・総合英語教室プロジェクター設置、社会科準備室雨漏り緊急対応屋上防水工事、講堂空調改善工事、図工室焼窯入替、保谷田園教場における近隣居住者対策のための樹木伐採、防砂ネット張替えなどを実施しました。今年度も、給食事業や教育活動に関する委託費等の経常的な運営資金の支援に加え、老朽化の進む学校設備の入替・保守・整備、校内の清掃・安全確保作業を中心に資金支援を行っていく予定です。それと同時に、機能的陳腐化が速いタブレット端末等ICT教育関連機材の計画的な入替など中長期的な視点からのプロジェクトや大規模災害時の学校設備の緊急補修対応資金の確保といった将来の支出への資金引き当ても併せて行っていく予定です。また、一般社団法人初等教育研究会が寄附を予定している保谷田園教場の管理棟・倉庫棟の新築工事ですが、今年度も継続して当会がその実施実務を全面支援するとともに資金的支援もあわせて行っていく予定です。
国立附属学校の予算は、大学から支給される附属学校教育費と呼ばれる運営経費によって賄われていますが、平成16年に国立大学が独立行政法人化して以降、大学独自の裁量による運営の自由度が高まった一方、国家予算からの運営交付金は減少の一途をたどり、その結果、附属学校教育費交付も減少を続け、当校の財政状況は厳しさを増しています。そのため、当会による教育活動への財政支援への要請はさらに高まってきている一方で、今年度から全学年が32人学級となり、総児童数は従前の8割となることから、後援会予算規模も縮小を余儀なくされてまいります。このような状況の中におきましても、保護者会員の皆様からの多大なるご支援をいただいた結果、昨年度は寄附金予算額を上回る1,100万円を超えるご寄附をいただき、家庭科教室・総合英語教室プロジェクター設置、第一運動場の改修工事、総合遊具新設などの早期実現が可能となりました。なお、ご寄附にあたりましては、当会が導入しております税制上の優遇措置を受けることが可能な寄附金制度をホームページ等でご確認いただき、ご活用いだけますと幸いです。
最後になりますが、日本で最初に設立された小学校として140有余年の長きにわたり日本のみならず世界の初等教育の最先端を担ってきた当校において、皆様のお子様のみならず将来の当校児童たちが安全で充実した教育を受けられる環境を維持していくために、本年度も保護者会員の皆様の変わらぬ後援会活動へのご理解ご協力ならびにご支援をお願いいたします。
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